起承転結の例 よくわかる例文10個
起承転結、聞いたことがあるけど正確に説明できる人はどのくらいいるのでしょうか。
まして、正確に活用できている人はなかなかいないと思います。
ここでは、短くて簡単な例文から、起承転結のその意味を確認していきましょう。
【最新版】起承転結の解説はこちら「起承転結の意味を例文10個でわかりやすく解説」
この記事の目次
まず、起承転結とは
起承転結とは、文章やストーリーの構成の仕方を表したものです。
物語を考えるとき、基本形としては以下のように考えれば間違いないでしょう。
起 物語の前提を説明し
承 事件が起こり
転 その事件を解決する
結 その結果を書く
注意しなければならないのは、この配分は4等分ではないことです。
120ページの脚本ならば、30ページずつ、
32ページの漫画ならば8ページずつ配分するということではありません。
諸説ありますが、
起10%
承40%
転40%
結10%
といったところでしょう。
4等分してしまうと、起が長すぎて読者が飽きること間違いなしです。
もう一つ大事に前提があります。
起承転結は実はそれ自体には意味がなく、
その役割を解説した色々な人たちの解釈が混ざって、今の感じになっています。
ですので、色々な人が、いろいろな起承転結を説明しています。
※起承転結の解説はこちらを見てみてください。
ここでは、上記を前提として、例文を紹介していきましょう。
起承転結の例
1、桃太郎
起 桃から桃太郎が生まれた
承 鬼が島で鬼が暴れているので、仲間を集めて
転 鬼が島に乗り込み、退治する
結 金銀財宝をもって村へ帰還する
言わずと知れた桃太郎ですね。
起では「昔話」の世界観と、桃から生まれてしまう「この世界の常識」(現代社会とは違う常識を持っている)を説明しています。
その前提で、承では鬼が出てきたり、しゃべる動物が出てきても納得されるわけです。
そして、結の分量がとても少ないことがわかると思います。絵本でしたら1ページですね。
2、はれときどきぶた風
起 朝起きたら
承 トイレに蛇がいた
転 エイッと気合いをかけてやっつけた。
結 逃げる蛇、快適なトイレライフが訪れた。
なんともくだらない内容ですが、起では舞台が現代であることを説明し、
承では事件が起こります。転では主人公が問題を解決しています。
3、剣と魔法の世界
起 剣と魔法の世界に暮らす主人公
承 魔王がやってきて阿鼻叫喚に
転 主人公が魔王と戦い
結 平和が訪れた
ファンタジーの王道的な内容です。もはやこんな話を作る人はいないと思いますが。
起はいくらでも長くなりますが、なるべくコンパクトにすべきですね。
そして承を早く訪れされ、転もたっぷりと書きます。
そして結はあっさりとまとめていくのが定石です。
4、アナと雪の女王
起 魔法を使えるお姫様の姉がおり、人々には秘密にしている。
承 魔法のことが人々にバレてしまい、国中が氷で覆われる。
転 姉と妹の真実の愛で、魔法が解ける。
結 平和が訪れる
これはアナと雪の女王ですね。
起承転結でまとめるとこのような感じになります。
実際にはもっと紆余曲折ありますが、骨子を抜き出すとこのような感じです。
映画を見たことがある方は、ここでも分量に注目したいただきたいのですが、結は数分しかないですね。
ここからあまり変化はありませんが、いくつか例をあげていきます。
5、いじめっ子・いじめられっ子
起 主人公はいつもいじめられている
承 最強のいじめっ子が現れる
転 勇気を出していじめっ子を戦い、勝つ
結 むしろ主人公がいじめっ子を従えるようになる
6、バレエダンサー
起 主人公はバレエの才能があるが、舞台に上がると緊張する
承 大きなコンクールがあり、絶対に勝ちたい
転 緊張を克服し、コンクールに勝つ
結 世界的なバレエダンサーに
7、特殊警察
起 人の心が読める主人公がいる
承 強力な犯罪組織があり、警察が苦戦を強いられている
転 能力を駆使して、警察とともに犯罪組織と戦い、勝つ
結 組織は壊滅し、主人公は特殊警察として活躍するようになる
8、ラブストーリー
起 主人公には好きな人がいるが、なかなか声がかけられない
承 文化祭があり、男女がペアになることに
転 勇気を出して声をかけたら、両想いだったことが判明、ペアになれた
結 めでたくカップルに
9、ゾンビ島からの脱出
起 不死身のゾンビがいる島に取り残された主人公
承 不死身のゾンビに襲われ絶体絶命に
転 ゾンビの弱点を発見し、形勢逆転
結 しかし島ごと封鎖されることになり、取り残されてしまう
9の例はバッドエンドですね。そういうものもあります。
10、古典
起 京の五条の糸屋の娘
承 姉は十六妹十四
転 諸国大名は弓矢で殺す
結 糸谷の娘は目で殺す
こちらは頼山陽という、大阪生まれの江戸時代の文人の歌です。の人のこちらは起承転結のよく例に出されるものです。面白話的なものとしてはよいのでしょうが、物語としては微妙ですね。
起承はまとめてもいい性質のものだし、結が転のようです。
そして結が不在です。「その結果俺はメロメロさ」ならわかりますが。
一般的な起承転結としてはOKでも、ストーリー構成の起承転結の悪い例として紹介しました。
ここまで、10個の例文を見て、感じがつかめたかと思います。
起承転結は「使える」の?
もともと起承転結は中国の詩文である「漢詩」の中の「絶句」形式の4つのパーツのことを指したものでした。それが、いろいろな人が物語の基本であると説明していくことによって、今の形になっています。
非常に歴史が古く、考え方的にも古いものなのです。
言ってみれば、
「スポーツ科学が発達しているのに根性論でスポーツをする」とか
「トラクターがあるのにクワで畑を耕す」、
「新幹線があるのに、SLで行く」ようなものです。
現代的な物語を作る際、
起承転結は単純すぎて「作るためのツール」にはなりません。
せいぜい参考になる程度です。
最新の物語の構成を学んで、面白い物語を作りたいですね。
起承転結に似ている言葉に、序破急というものがあります。こちらについても解説していますので、起承転結がわかったら次はこれを見てみてくださいね!
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