小説家としてデビューしたい人用の公募文学賞リストを作りました。
小説の新人賞といっても大きな出版社のものから、地方や企業の企画コンテストのようなものなど、大小様々あります。ジャンルも多岐にわたり、ライトノベルやWEBまで含めるとそれこそ星の数ほどあります。それから、受賞したらそれで終わり(もちろん出版されたり、名誉や賞金は得られますが)という賞と、作家として次のステップに進める賞との2つがあります。ここでは職業としての小説家になりたい人向けに、新人文学賞を紹介します。
※ライトノベルは除いています。ラノベの人はこっちでも見ていてください。
この記事の目次
文学賞の基本
文学賞は無数にあり、どれに応募したらいいか迷ってしまいます。探すだけでも大変です。ですが、文学賞の基本的な考え方をおさえておくと、自分が応募すべき賞が見つかりやすくなります。
公募文学賞
文学賞は大きく分けて2種類あります。一つは応募してエントリーする文学賞で、『やまなし文学賞(山梨)』、『坊ちゃん文学賞(松山)』※2019年からショートショートのみの募集に。など、地方の文学賞も公募文学賞です。有名な小説家が審査員になっている賞やレベルが高い賞もたくさんありますが、作品そのものを評価するコンテストであって新人を発掘・育てようということが主眼の賞ではありません。
これに対して『新人賞』は受賞後に担当編集が付き、次の作品に取り組んでいきます。
公募でない文学賞
もう一つはある期間に世に発表された小説の中から選ばれる賞です。大雑把に言うと1冊でも本を出している人が対象の賞です。芥川賞や、直木賞、などがこちらに該当します。このような賞の最高峰はノーベル文学賞です。
新人賞
受賞後も小説を書いて活躍していきたいという方は新人賞に応募するのが一番だということになります。ということで、小説家に一番近そうな新人賞をリストアップしました。各社とも、大きく分けて文学系の賞と、エンターテイメント系の賞を備えて要る場合が多いようです。
※以下の内容は調べた当時から変わることがありますので、各自確認してください。
エンターテイメント系の賞
1、小説すばる新人賞
http://syousetsu-subaru.shueisha.co.jp/award/
集英社が主催する小説新人賞です。『小説すばる』は今年で30周年を迎える月刊小説誌。
ジャンル不問で応募条件は「面白ければいい」という賞です。直木賞作家を多数輩出しています。400×200~500枚(20万字)以内。賞金は200万円。
2、オール讀物新人賞
https://www.bunshun.co.jp/mag/ooruyomimono/ooruyomimono_prize.htm
短編小説から始まるエンターテイメント登竜門!
文藝春秋が主催する賞です。短編と謳っている通り、他の賞より枚数が少なく400×50~100枚(4万字)以内です。賞金50万円。
3、小説現代長編新人賞
http://shousetsu-gendai.kodansha.co.jp/prize/
五木寛之、伊集院静、皆川博子、北原亞以子、勝目梓、川上健一、橋本治、金城一紀、朝井まかてなど、数多くのベストセラー作家を生み出してきた小説現代新人賞。
講談社の主催する賞です。400×250~500枚(20万字)以内。賞金は新人賞の中では300万円と最高額です。
純文学系の賞
純文学の賞リストです。以下は五大文芸賞と呼ばれることもあるようです。
1、すばる文学賞
http://subaru.shueisha.co.jp/bungakusho/
気鋭の新人を待つ文学賞です。既成の文学観にとらわれない、意欲的な力作・秀作をお寄せください。
集英社が主催する小説新人賞です。同じく集英社の『小説すばる新人賞』と名前が似ていますが小説~がエンターテイメント系なのに対して、こちらは純文学系です。
400字×100~300枚(12万字)以内。賞金は100万円。
2、群像新人文学賞
http://gunzo.kodansha.co.jp/awards
気鋭の才能を輩出した群像新人文学賞は、更に一層の清新な才能を待望しています。
講談社が主催する新人賞です。『群像』は1946年に創刊した文芸誌で、講談社の中で最も歴史があります。400×70~250枚以内(10万字)以内。村上春樹、高橋源一郎、村上龍、などの作家はこの賞の出身です。賞金は50万円。
3、新潮新人賞
http://www.shinchosha.co.jp/prizes/shinjinsho/
本賞が待ち望むのは、文芸の新たな可能性を拓く未知の才能の劇的な登場です。
新潮社が主催の文学賞です。『新潮』は1904年創刊。100年以上の歴史があります。400×250枚(10万字)以内。賞金は150万円。
4、文學界新人賞
https://www.bunshun.co.jp/mag/bungakukai/bungakukai_prize.htm
文藝春秋が主催の賞です。同じく文芸春秋のエンタメ系新人賞『オール讀物』と対をなす賞です。400×70~150枚(60万字)以内。賞金は50万円。
5、文藝賞
http://www.kawade.co.jp/bungeiaward.html
河出書房新社では、新人の登竜門として、小説のジャンルに「文藝賞」を設定しております。応募規定をご覧のうえ、積極的にご投稿ください。既成の枠にとらわれない、衝撃的な作品を お待ちしております。
河出書房新社が主催の賞です。400×100~400枚(16万字)以内。賞金は50万円。
狭き門だが新人賞を目指すべし
上記の賞は応募数が1000件を超える有名な賞です。大変な難関であることは間違いありません。本当に作家になりたいと思うのであれば、遠回りのようですが、その実一番の近道ではないかと思います。作家として食べていけるのは、上記の賞を取ってデビューした中のさらに一握りだと言われています。だからと言って何もしなければ何も始まりません。小説家になりたのでしたら、まずは新人賞を狙っていきましょう。もう作品が出来上がっている人はいいですが、これから小説を書こう! という人はこちらの記事がおすすめです。
小説書きたい!と思ったら「書けないを脱出する創作5ステップ」
ぜひ満足いく作品話作って、新人賞に応募してください。