となりのトトロの新都市伝説?!DVDジャケットの女の子は一体誰?!
アニメ『となりのトトロ』言わずと知れた日本アニメ映画界の巨匠、宮崎駿監督の不朽の名作です。さつきとメイの姉妹が引っ越した田舎で出会った不思議な”生きもの”トトロとの交流を描くストーリーです。
多くの都市伝説があるこのトトロに新たな都市伝説が?!からの、宮崎駿監督のストーリー作り方についても解説してみましょう。
どんなストーリー?都市伝説って?
日本人なら誰でも知っているストーリーですが、改めてあらすじを紹介しておきましょう。
メイとさつきが田舎に引っ越し、メイがトトロに出会う。メイが入院中のお母さんにトウモロコシを届けるために一人出かけるが迷子になる。さつきはトトロに頼んでネコバスでメイを助けに行く。
という大筋の間に、家族の交流や、姉妹、トトロとの出会いが丁寧に描かれています。トトロを縦軸にしたあたたかな人間の交流のディティールがこの作品の魂です。
一方、となりのトトロには有名な都市伝説があります。
メイは物語途中で死亡し、さつきはメイを探す途中で冥界に迷い込んでしまった、というもの。作品後半になると、さつきとメイには影がないとか、両親にさつきとメイが見えないシーンがあるとか色々な根拠が提示されています。この都市伝説の中では「トトロは死神で死にゆくものだけが目にすることができる」なんて中二的な設定もまことしやかに紹介されています。
それだけでなく、さつきとメイは小説家だったお父さんの妄想だったとか(実際は作家じゃなく研究員)、狭山事件という実際の事件と結びつけたものもあり、いまだにエスカレートしています。
ネットで爆発的に広まったこの都市伝説。あたたかい作品の真逆な解釈でファンからするとショックを受けるのですが、スタジオジブリからも正式に事実無根との回答が出ていますのでご安心を。
私自身もへ~おもろいこと考える人がいるもんだと逆に感心していたものですが、あるものを目にして、背筋が凍りました。
まさか、新たなる都市伝説?!を発見してしまったのか?!
DVDジャケットに写る謎の女の子
このDVDジャケットをよく見てください。
え、さつきとメイでしょ?
私もそう思っていました。
でもよく見てください。
2つに結わえたおさげ、そして黄色とオレンジの服・・・。ん?
この場面ではメイはさつきにおんぶされています。だからメイの髪の毛がさつきの頭の後ろからみえているのかな・・・?
とも思ったのですが、それならばメイの足や頭が見えているはず・・・
そして、顔つきがさつきじゃない。むしろメイに似ているようにも見えます。
これが本来のメイとさつき。
こちらがDVD。
え?え?誰?!
新たなるトトロ都市伝説か!?
答えはストーリーの作り方にあった
宮崎駿監督は映画の製作前にイラストボードを作ることで有名です。
実はこの絵は、初期のイラストボードをもとに作ったものだということです。もともと登場する女の子は1人の予定だったのが途中で2人になったそうです。
理由はこんなところ。
1、もともとトトロは高畑勲監督の『火垂るの墓』と同時上映の60分の短編映画だったが、火垂るの墓が長くなってしまったので、別建ての映画にすることになった。90分の映画にして独立させるため、1人だった女の子を姉妹にした。
2、宮崎監督が最初にイメージしていた「雨のバス停でトトロが隣に立っているシーン」と、「昼間に庭で遊んでいる女の子がトトロと出会うシーン」の2つのシーンを両方実現しようとしたら、2人の方が都合がよかった。
本当のところはわかりませんが、このどちらか、もしくは両方が理由だったようです。
ちなみに初期イラストボードはこちらの本でも見ることができますね。本当だ、一人だ。
確認したところ、映画の同じシーンではしっかりとメイが見えていました。そうだよね、おんぶしたらメイの顔が背中から見えるし、足も手前に出てくるよね。
しかし、なぜイラストボード用の絵をずっと使用しているのか・・・それはまたいろいろな憶測を呼びそうですね。しかもどうもDVDのジャケットをリニューアルしているようなのですが、わざわざこの絵を最新のジャケットに採用したようです。
宮崎駿監督のストーリーの作り方
さて、このサイトはストーリー作りに役立つ情報サイトですから、本業の話もしましょう。笑
宮崎駿監督の作品の作り方はイラストボードを先に書くということからもわかる通り、書きたい場面から作っているように思えます。
私の想像ではありますが、その思考を追ってみましょう。
お化けと、雨のバス停で遭遇する。→雨のバス停で女の子が待っているってどういう設定?傘も持っていたい。→お父さんを迎えに行っている。→お母さんはいないの?お母さんがいれば迎えに行くでしょう。→いないほうが自然だけどかわいそうだから病院に入院していることにしよう。→お母さんに会いに行くシーンがほしい。→むしろ会いに行って迷子になっちゃう。→そこでお化け登場!お化けが助けに行っちゃう。
本当のところがどうなのかは監督しか知りませんが、思考の展開としては意外とこんな感じだったかもしれません。これは演繹法という発想法ですね。アイデアを連想ゲームのように広げていくのです。※演繹法について詳しくはこちらで見てみてください。
何かのアイデアやシーンが浮かんだときは、このように膨らませる、というのが大事なところです。
そう考えると、宮崎映画にはシーンが先にあったのではないかと思う場面がたくさんあります。キキが飛ぶシーン、女の子が空から降ってくるシーン・・・それが名作を生み出すポイントなのかもしれませんね。
まとめ
キャラクター、設定、場面、ストーリーはどこから作ってもいいのです。シーンから作るのは一見、映像的なアプローチですが、小説、漫画、どんなジャンルでも使うことができます。経験が浅いときは設定からはいる方が多いですが、シーンからもチャレンジしてみましょう!