リスペクトの2つの意味 類語やオマージュ・パクリとの違い
リスペクト、という言葉があります。
なんとなくやんちゃな感じのするこの言葉、正確なの意味をご存知でしょうか?
今回は簡単そうで結構ややこしいリスペクトについて解説していきましょう。
どのような使われ方なのか
まずは世の中で「リスペクト」がどのような使われ方をしているのかを見てみましょう。
style="display:block"
data-ad-client="ca-pub-2279707933435179"
data-ad-slot="1171214444"
data-ad-format="auto"
data-full-width-responsive="true">
【例】
おれはhideをリスペクトしている
スターウォーズには時代劇へのリスペクトが感じられる
私は多くのクリエイターからリスペクトされている
あの作品は黒澤明リスペクトの塊だ
「リスペクト」は英語の「respect」から来ています。
「respect」は英語では動詞で、「尊敬する」という意味があります。
他動詞ですので、目的語をとって「I respect you」で「私はあなたを尊敬する」という風に使います。これがそのまま日本語の「リスペクト」になっています。
日本語のリスペクトには2つの使われ方があります。
名詞として使う場合と、「する」をつけて動詞として使われる場合です。
例をもう一度見て分類してましょう。
【例】
おれはhideをリスペクトしている→動詞
スターウォーズには時代劇へのリスペクトが感じられる→名詞
私は多くのクリエイターからリスペクトされている→動詞
あの作品は黒澤明リスペクトの塊だ→名詞
このように意味は同じですが、よく見ると名詞と動詞の2つの使い方に分けられることがわかります。
余談ですが、外国語から日本語のカタカナ語になった言葉の多くは、このリスペクトのように名詞と動詞の両方で使われることが多いため、なんとなく意味がわかりにくかったり使いづらかったりする傾向があるように思います。特に名詞として使われると理解が難しくなりますね。
リスペクトの2つの意味
意味その1
さて、このリスペクト、意味は英語と同じ「尊敬」ですので、ほぼそのまま「リスペクト」を「尊敬」と置き換えることができます。先程の例に当てはめてみましょう。
【例】
おれはhideを【尊敬】している
スターウォーズには時代劇への【尊敬】が感じられる
私は多くのクリエイターから【尊敬】されている
あの作品は黒澤明【への尊敬】の塊だ
最後だけ文章条の問題でが少しイレギュラーですが、このように基本的には置き換えが可能です。
これがリスペクトの1つ目の意味です。
意味その2
実はリスペクトにはもう一つ、意味があります。こちらの意味の方がわかりにくいので、皆さん混乱するのだと思います。
これついて説明する前に、どんな分野でリスペクトが使われているかについて説明しておきましょう。
リスペクトと言う言葉は、以上のように「尊敬」という意味と同じ意味なのですが、尊敬という言葉が、どんな分野でも、どんな年齢でも、いつでもどこでも使われるのに対して、「リスペクト」はどちらかというと若めの方が芸術分野で使うことが多い印象があります。芸術分野とは音楽や、映画、漫画といった分野です。
それらの分野で、特に「クリエイターがある他のクリエイターや作品をリスペクトしている」といった時は注意が必要です。単なる「尊敬」ではない、もう一つの意味で使われている可能性があるからです。
クリエイターある習性があります。あらゆる分野のクリエイターには「自分の好きなもの・尊敬する他のクリエイターの作品の要素を自分の作品に取り込む」という独特の習性があります。
例えば、「スターウォーズ」という映画があります。「ジョージ・ルーカス」という監督が作っているのですが、彼は日本映画界の巨匠「黒澤明」の大ファンです。宇宙を舞台にしているスターウォーズには日本の時代映画の要素がたくさん入っています。柔道着のような衣装、兜のような仮面、「ジェダイ」は時代、「ハンソロ」は服部半蔵、そして光の刀「ライトセーバー」。これらはリスペクトの賜物です。※もしスターウォーズを知らない方は一度見てみてもいかもしれません。
音楽はもっとわかりやすく、先の偉大なアーティストに影響を受けているクリエイターは沢山います。X-japanを尊敬し、要素を取り入れているその後のヴィジュアル系、エアロスミスみたいなB’s、そもそもチャックベリー、ビートルズ、ローリングストーンズに影響を受けた幾千のバンド…。
ファッションでも漫画でもあらゆるクリエイターは、他の作品の要素を自分のものとして昇華してゆくのです。思えば人類は先の偉大な発明を取り込みブラッシュアップして進化してきているのですから、特に不思議な行為ではないかもしれませんね。
これらの行為を、そのままリスペクト、ということがあります。
【例】
スターウォーズは黒澤明リスペクトだ
「クリエイターが他の作品の要素を取り入れること」、これがリスペクトの2つ目の意味です。
さて、このように説明すると、他人の要素を取り入れる=パクリと何が違うの?と思うかもしれません。結論から言うと、パクリとは異なります。このことについて説明していきましょう。
パクリとリスペクトの違い
リスペクトの本来の意味は尊敬であると説明しましたが、これこそがパクリとの決定的な違いです。尊敬があるかないかが、パクリとの違いです。
パクリとは、要素を取り入れるという部分は同じですが、その要素をさも自分が”発明”したかのように表現します。元ネタがなかった、という態度をとります。それは先のクリエイターが発明した面白さや素晴らしさを、盗んで自分のものにする行為なのです。
リスペクトの場合は、読者や視聴者に元ネタがあることを知られたほうが、むしろ良いのです。
リスペクトとは、クリエイターと受け手の
「俺はこれが好きだ、お前はどうだ、いいだろう?!」
「おれも知っている、いいよね、わかっているね!」
このようなキャッチボールであり、一種の遊びなのです。
もちろん、パクリの場合は↓このようになります。笑
「おれが発明したこれ、面白いだろう!」
「いや、どっかで見たんだけど・・」
「・・・ん?汗 そんなことないぞ! 俺が発明したんだから汗」
リスペクトとオマージュ
もう一つややこしいことに、「リスペクト」とほぼ同じ意味の言葉に「オマージュ」があります。
クリエイターが他の作品の要素を取り込むことをオマージュと言います。
【例】
スターウォーズは黒澤明をオマージュしている
リスペクトとの違いは、元ネタをどこまでアレンジするかという点にあります。オマージュは比較的原型に近い形で取り込みます。リスペクトは元々の原型を残さないことも多く、この点が異なっています。
例えば、これはオマージュです。スターウォーズの最後の1場面ですが、構図が「隠し砦の三悪人」とほぼ同じです。知っている人は「おお!」となりますね。
リスペクトはもう少し抽象的で、元ネタの要素そのままでない場合も含まれます。
以下に図解しておきますので参考にしてみてくださいね。
他の周辺の言葉についてはこちらでも説明していますので興味があったら見てみてください。
オマージュの意味とは【例あり】パクリ、パロディ、リスペクトとの違い
style="display:block"
data-ad-client="ca-pub-2279707933435179"
data-ad-slot="2647947644"
data-ad-format="auto"
data-full-width-responsive="true">
まとめ
長くなりましたので、最後にまとめておきましょう。
①「リスペクト」はそのまま「尊敬する」という意味である。
②「リスペクト」は芸術分野で「クリエイターが他の作品の要素を、原型を残したり残さなかったり色々な方法で自分の作品に取り入れること」である。
これで明日から「リスペクト」を連発できますね!
ただ、説明してきたように、比較的芸術分野界隈で使われますので「ちょ、こいつクリエイター気取りw」と思われる可能性がありますので気を付けてください。